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元旅行会社の社員が安く旅行に行く方法、おすすめの旅行先などを書いていくブログです。得意なエリアは地元名古屋、10回以上旅行している沖縄、旅行会社時代に担当していた福岡です。

オーバーブッキングはなぜ起こる?ユナイテッド航空問題の根本を解説

みなさんこんにちは。

元旅行会社社員の旅行ライターリュウジです。

 

先日アメリカの航空会社ユナイテッド航空にて、オーバーブッキングで降車拒否をした乗客を保安官が引きずりおろすという動画がインターネットに投稿され、大きな話題を呼びました。

もちろんこの件について、ユナイテッド航空のやり方については批判が集めるべきかと思いますが、そもそもなぜオーバーブッキングが起こるのか疑問に思った人も多いのではないでしょうか。

今回は旅行会社で働いていた時の経験から、航空会社がオーバーブッキングが起こる理由を解説していきたいと思います。

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航空会社の座席管理の仕組み

まずは航空会社がどのように座席管理をしているのかを時系列で見ていきます。

 

<1年から半年前>座席販売開始&旅行会社への座席振り分け

まず出発の1年から半年前を目安に航空券の販売が開始されます。

航空券の販売は航空会社のホームページはもちろん、旅行会社でも行われますので、同時に旅行会社への座席振り分けも行われます。

座席の振り分けは旅行会社の販売実績などに基づいて行われるのですが、ここでは既定の座席数を超える座席数が振り分けられます。

(例えば定員が300席の飛行機の場合でも、航空会社100席と各旅行会社300席で合計400席のように多めに振り分けされます)

多めに振り分けをする理由としては、今後発生するキャンセルを見越しているからです。

旅行者が旅行会社に対して2股3股をかけている場合もありますし、予定が入ってしまったのでキャンセルする場合もあるので、ある程度のキャンセルを見込んで座席の振り分けをしているというわけです。

ちなみにこの座席の振り分けは、航空会社の座席管理担当者が今までのデータと経験則から決定することを覚えておいてください。

 

<1ヵ月半前から2週間前>座席の調整、手仕舞い

その後出発の1か月半前くらいから座席の調整が行われていきます。

座席管理担当者は予約の入り具合を見ながら、販売ができていない旅行会社の座席を回収したり、席の足りない旅行会社に席を渡したりします。

そしてそして各航空会社ごとに設定されている手仕舞い日(大体1ヵ月~2週間前)を迎えると、旅行会社に分配していた座席をすべて回収し、その後は随時予約に切り替わります。

ほとんどの場合は手仕舞い日を迎えた時点で座席数は規定内に収められますが、時折座席管理担当者が読み間違えて座席が多く販売されるため、これがオーバーブッキングの原因となります。

 

<出発まで>キャンセルの状況を見ながら乗客に交渉

そしてその後は搭乗の直前まで、キャンセル状況とにらめっこすることになります。

出発直前まで乗客の状況を確認し、それでも座席が足りていない場合は、乗客に対して交渉をすることになります。

交渉内容はユナイテッド航空のケースのように、クーポンや現金やホテルを用意して座席をゆずってもらうという流れです。

交渉はギリギリまでキャンセルを期待するため、出発直前になることが多いです。

 

このような流れで航空会社は飛行機の座席を管理しています。

利益を出したい航空会社としては、オーバーブッキングのリスクを負ってでも、

1席でも多く販売をしたいのです。

そのため細かい調整を座席管理担当者に任せているため、どうしてもオーバーブッキングは起こってしまうという訳です。

 

オーバーブッキングを回避する手段はあるのか?

それでは現実的にオーバーブッキングを回避する手段はあるのでしょうか。

旅行会社での勤務経験から、オーバーブッキングに合う確率を下げるための方法をお教えします。

 

大手航空会社とLCCではどのような違いがあるのか

まずANAやJALのような大手航空会社とジェットスター航空のようなLCCでは、どちらがオーバーブッキングが起こりにくいのでしょうか。

イメージ的にはLCCの方がオーバーブッキングを起こしそうですが、実はLCCの方がオーバーブッキングは起きにくいです。

理由は座席の販売方法の違いにあります。

大手航空会社は多くの座席を販売しなければならないため、旅行会社と協力して販売網を広げる必要があります。

一方でLCCは少ない座席数で利益を出すため、旅行会社には頼らず自社での販売に重きを置きます。

旅行会社に販売網を広げれば広げるほど、座席管理担当者の仕事は大変になるため、オーバーブッキングが起こりやすくなるという訳です。

実際今回のユナイテッド航空は、アメリカでもトップクラスの大手航空会社でした。

オーバーブッキングのことだけを考えるのであれば、LCCの方がいいというのは少し意外ですよね。

 

航空券は航空会社と旅行会社どちらから買えばいいのか

それでは航空券を購入する先によって違いはあるのでしょうか。

結論から言うと航空券は航空会社から直接購入した方が、オーバーブッキングには巻き込まれにくいです。

細かく言うと航空会社から購入した方が、オーバーブッキングの交渉相手に選ばれにくいというのが正しいでしょうか。

先ほど交渉は直前に行われることが多いと説明しましたが、オーバーブッキングが明らかな場合は、事前に飛行機の振替を交渉するケースがあります。

この時選ばれるのは旅行会社経由で航空券を購入しているお客さんです。

航空会社としては直接航空券を購入してくれたお客さんの方が、利益率も高いしリピーターになる確率が高いので、優先したいという事情があります。

一方で特に格安で販売をしている旅行会社については、オーバーブッキング時の交渉も行う前提で、航空券の価格を下げてもらっているという事情があります。

そのため航空会社から旅行会社に連絡が入った場合は、旅行会社は該当者から交渉に応じてくれそうな人を選んで交渉をします。

ちなみに私は1年間格安を売りにする旅行会社で国内旅行を担当していましたが、お客さんに飛行機変更の交渉をしたことは1度や2度ではありません。

先日てるみくらぶの破産が問題になりましたが、格安旅行会社を使うリスクはこんなところにもあります。

 

オーバーブッキングの交渉相手はどうやって選ぶ?

これは補足になりますが、旅行会社や航空会社はオーバーブッキングの交渉相手はどのように選んでいるのでしょうか。

あくまで一例ですが、私の経験から選ばれる傾向を紹介します。

・時間に融通が利きにくいビジネスのお客さんより、レジャーのお客さんを選ぶ

・始発や終電が関係する飛行機の場合は、空港の遠くに住んでいる人は避ける

・電話で話した印象や見た目の印象から選ぶ

選ぶ基準としてはこんな感じでしょうか。

実際どのお客さんが交渉に応じてくれるかはわからないので、選べない場合はリストの上から電話をしていくということもあります。

どうしても外せない予定がある場合は、航空会社から直接購入した方がオーバーブッキングに巻き込まれる確率は下がります。

 

以上オーバーブッキングはなぜ起こる?ユナイテッド航空問題の根本を解説でした。

つたない説明でしたが、今回の問題の原因が少しでもお分かりいただけたら嬉しいです。