みなさんこんにちは。
元旅行会社社員で旅行ライターのリュウジです。
先日てるみくらぶの取引先である広告会社デナリ・エージェンシーが東京地裁に破産を申請したことが発表されました。
これまでてるみくらぶのグループ会社の倒産はありましたが、取引先での倒産は初となります。
てるみくらぶの負債総額は150億円とも言われているので、恐らくこの連鎖倒産ははじまりに過ぎないでしょう。
今回は元旅行会社社員の視点から、今後てるみくらぶの倒産がどのように影響を及ぼしていくのかを予想してみたいと思います。
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てるみくらぶ倒産で影響を受けたであろう取引先
一般的なイメージですと旅行会社が行っている取引というと、航空会社、ホテル、レンタカー会社くらいかなと思うかと思いますが、実は旅行会社の取引先は結構あります。
てるみくらぶと取引していた会社は少なからず被害が出ていますので、そんな取引先を見ていきましょう。
広告会社
まずは今回倒産に至った広告会社です。
旅行会社はパンフレット、新聞広告、インターネット広告など様々な広告を打つことで集客を図ります。
これらの広告に関しては専門の広告会社に依頼する場合が多く、今回はその中の1つが連鎖倒産してしまったということですね。
私が勤めていた会社はインターネット販売専門だったのですが、リスティング広告やSEO対策は外部の会社に委託をしていましたので、てるみくらぶの場合も同様ではないでしょうか。
システム会社
続いてはシステム会社です。
旅行の予約は複雑なシステムのもと構築されており、旅行の専門家である旅行会社にはこれを構築する技術はありません。
そのため専門の会社が構築したシステムを購入するという形で対応するため、システムを納入していた会社はもちろん影響を受けます。
ランドオペレーター
そしておそらくほとんど知られていないのですが、1番の被害を被っていると予想されるのがランドオペレーターです。
海外旅行の場合、旅行会社が1つ1つのホテルに対して契約することは対して、非常にコストがかかります。
そのためランドオペレーターという会社の人が現地ホテルと交渉し、各旅行会社にホテルを卸すというシステムをとっています。
近年ではエクスペディアでも法人利用ができるなどの動きがありますが、日本ではまだまだランドオペレーターの影響力が強いです。
今回の場合ホテル代金の未納も問題になっていますので、ランドオペレーターの受けた影響はかなり大きいはずです。
ランドオペレーターの数はそう多くないので、1社潰れると他の旅行会社も影響を受ける事になります。
そうなってしまったら旅行会社もバンバン潰れる事態にもなりかねないので、個人的には頑張ってほしいところですね。
てるみくらぶの影響で正念場に立つであろう旅行会社
そして連鎖倒産とはならないものの、旅行会社は売上面でかなり影響を受けると思われます。
てるみくらぶの倒産で、旅行会社自体を使わないという選択肢を持った人も多くなったことは間違いありません。
そのため旅行客は国内旅行の場合はじゃらんや楽天トラベル、海外旅行の場合はLCCやエクスペディアの利用が増加していくでしょう。
以前てるみくらぶ問題からわかる信頼できる旅行会社を見極める方法 でも書いたのですが、旅行会社が今までやってきたビジネスだけでは限界が来ています。
ただし今回のケースで旅行をする人が激減するという訳ではないです。
そのため旅行という広いくくりであればまだまだ勝負できるチャンスはあるんですよね。
実際旅行のベンチャーで今面白い会社も出てきています(RETRIP問題を起こしたtrippieceがその筆頭だったのが残念ですが)
旅行に関する知識・経験では一日の長がある旅行会社には、個人的にはこれを機に新しいビジネスに参入するなどの進化をしていってほしいですね。
以上てるみくらぶの取引先が連鎖倒産!今後予想される影響を元旅行会社社員が予想でした。
観光庁から発表される旅行の取扱高は3か月後発表なので、旅行会社の数字が実際にわかるのは7月頭になりそうです。
個人的には注目のトピックスなので、今後もてるみくらぶ関連はしっかりチェックしていこうと思います。